世界

何時も見ていた彼の部屋。
全てのものは‘見慣れた‘ものではありましたが、その時の私の目には全てが遠いもののように思えてなりませんでした。
テレビもつけずに静まり返った部屋の中で私たちは別れ話をしていたのです。
彼と出会ったとき、私とはまるで違う感性だとか人生の道程というものに心惹かれました。
「同じ」であることが喜びでもあるのですが私としてはこうした「違い」が刺激になったり、別の角度を与えてくれるようで・・・。

そうして彼と私の交際はスタートしたのです。
毎日が新鮮でしたし、少し照れ屋だけれど優しい彼が大好きでした。
しかし、少しずつ「ズレ」を感じ始めるようになったのです。
あんなに心惹かれた違いではありますが、あまりに「違いすぎていた」のかもしれません。

私の世界と彼の世界はまるで違うものだったのです。
2人の恋愛として捉えて、「一緒の部分」をその恋愛の中に作っていこうという努力もしてみたのですが上手く行くことはありませんでした。
そうして彼と私は静まり返った部屋のなかで「さよなら」をしました。

彼の部屋を出た瞬間、一気にその現実味が沸いてきて、帰り道は涙・涙でした。
違っているから面白い。
違いすぎると悲しい。
私は勝手だったのでしょうか!?

正しさ

「お付き合い」という域までは達してはいませんでしたが、その当時とても仲良くしてくれていた男性が居ました。
私より少し年下だったのですが、精神的にはかなり上だったようにも思います。
最初は、何も関心が無かった私ですが、友達として一緒にいるうちに彼のことがどんどん好きになり彼に対する恋愛感情を抱くようになったのです。
それから、私の片思いが始まりました。

「会おうか?」そう彼に聞かれた時、とても嬉しかったですし
その前までは複数名で会っていたのに「2人きり」で会えるんだと思うと何日も前からソワソワしていました(笑)

そして当日。
彼と待ち合わせをして歩く。それだけで幸せで胸が一杯でした。
1日中一緒に居て、空もスッカリ暗くなった頃、彼に「家に泊まっていかないか」そう聞かれました。
そしてそのことが何を示唆しているのかも悟りました。
「正しいことをしていなくては」と常日頃から思っていた私。
ですので、そこでは当然どんなに好きでもお断りをするべきですよね。

しかし一瞬、心の中に「正しさなんて要らない」という感情が込みあがったのも確かです。
好きだからこそ、この勢いに乗りたい!
という気持ちもあったのでしょう。
しかし、ズルズルと行くことのほうが今の勢いに乗り損じるよりも怖いと感じた私はその場で別れました。
それからというものの彼からは連絡はありません(苦笑)
とどのつまり、そういう関係性しか彼は望んでいなかったのでしょう。